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FUKUSHIMA NEXT 人から始まる、新しい福島。

福島の未来を担う「FUKUSHIMA NEXT」

福島では今、多くの方々が環境再生や復興に向けた取り組みを進めています。
そして福島では「その先の環境」を目指す思いと“ FUKUSHIMA NEXT ”の活動が始まっています。
福島の復興や未来のためにチャレンジしている人々をもっと多くの人に知っていただきたい、そして応援していただきたい。
そんな思いから環境省と福島県は未来志向の優れた取り組みに対して表彰し、
その活動を広く周知する福島環境リブランディングキャンペーン「FUKUSHIMA NEXT」を設けました。
今回は「FUKUSHIMA NEXT」福島県知事賞受賞、郡山女子大学短期大学部「つなぐデザインプロジェクト」の取り組みをご紹介します。

デザインの力で思い出を未来につなぐ。

郡山女子大学短期大学部 地域創成学科の「つなぐデザインプロジェクト」は
東日本大震災の復興と記憶の継承に取り組んでいる地域連携プロジェクト。
デザインの力で今の福島県を発信することで風評被害など被災地域の課題に向き合うことを目的に始まりました。
「いまだ全町避難が続いている双葉町の双葉南小学校に、フィールドワークで訪問しました。
震災後から時間が止まったような光景を前に、当時の子供たちに想いを馳せたことがきっかけです」と、 指導教員の小松太志准教授。
双葉北小学校・南小学校に残されていた教室のカーテンや体育館の紅白幕を布材料とした記念品をデザイン・製作、
双葉町の新成人の方たちへ贈呈することにしました。
今年、成人式を迎えた方たちも震災当時は小学3 年生。「思い出をつなぎたい」そのような考えで取り組み、
学生たちはフィールドワークなどの結果を踏まえて、記念品をペンケース・巾着袋・包み布に決定。
双葉町に新たに工房を構えるアパレルメーカーのフレックスジャパン株式会社の協力を得ながら、
今年1 月3 日の成人式で贈呈することができました。
「未来に向けて種を撒き、育んでいきたい」小松さんと学生たちの、福島への思いです。

震災から11年が経過しようとしています。
環境省は引き続き環境再生事業を安全かつ着実に進めながら、
福島の未来を担う人々、そして「FUKUSHIMA NEXT」の活動を応援していきます。

FUKUSHIMA NEXT 福島県知事賞 受賞者インタビュー
双葉町の、そして福島の「この先」について伺いました

「つなぐデザインプロジェクト」では双葉町とフレックスジャパン株式会社、環境省の産官学連携により、双葉町「環境再生」デザインプロジェクトに取り組みました。双葉町の小学校に残された布材を使用して記念品をデザイン・製作、双葉町で成人式を迎える方々へ贈呈しました。取り組みとそこに込められた想いをお聞きしました。

  • 小松 太志様(郡山女子大学短期大学部地域創成学科 准教授)
  • 郡山女子大学短期大学部地域創成学科の皆様

Q:地域創成学科ではどのようなことを学んでいますか?

小松:郡山女子大学短期大学部地域創成学科では、文化・歴史系、アート&デザイン系、情報・ビジネス系という三つの分野について学ぶことができます。学科のコア・カリキュラムとして大学で学んだ専門性を地域社会で実践的に展開する「地域創成プロジェクト演習」という授業があります。この授業では複数の地域連携プロジェクトが運営されていますが、そのうちの一つが「つなぐデザインプロジェクト」です。

Q:「つなぐデザインプロジェクト」はどのような取組ですか。

小松:「つなぐデザインプロジェクト」ではデザイン的アプローチによる地域課題の発見と解決に取り組んでいます。大学で学んだデザインの知識を実践の中で生かすことが目的です。

Q:「つなぐデザインプロジェクト」のテーマに、福島の「環境再生」を選んだ理由を教えてください。

小松:2020年度はコロナ禍ということもあり浜通りに伺うことはできなかったのですが、環境省から福島の環境再生に関する講義等を受けながら7人の学生がペーパーバッグのデザインを練りました。2021年度は震災から10年が経過し、一般の方々の中で震災に関する記憶が薄れ、関心も薄れていることに問題意識があり、また風評被害の払拭の停滞を防ぐことに繋げていくことを「つなぐデザインプロジェクト」の中でできればと考え、福島の「環境再生」をテーマに選びました。

Q:小学校の紅白幕やカーテンを素材に使い、リメイクしようと考えた思ったきっかけは。

小松:環境省との打ち合わせの中で双葉町がプロジェクト対象の候補として提示され、実際に双葉町に町の現状を理解するフィールドワークを実施することになりました。その見学地の一つが双葉町立南小学校でした。
2021年10月に、双葉町立南小学校を訪れました。震災後10年間、震災時そのままに小学校が取り残されている姿を見学しました。その時に学生たちと私が、当時の子供達のことに思いを馳せて、震災の記憶を繋ぎたいという感情を抱いたことがこのプロジェクトを進めるきっかけとなりました。
双葉町に進出するアパレルメーカーのフレックスジャパンさんと協働できないかという提案が環境省と双葉町からあり、震災後、町に残っている布材を使用した何らかのプロダクトを制作するという方向性はありました。学生、私(小松)、環境省、双葉町でフィールドワーク後に議論していたところ、「小学校に残された物をリメイクしてデザインしよう」というアイデアが出ました。さらに、デザインした作品を双葉町の成人式の記念品として贈呈しようというアイデアも導き出されました。
今回の作品には、双葉町立南小学校の教室の緞帳の布と、双葉町立北小学校の紅白幕を使用させていただきました。

Q:フィールドワークで双葉南小学校と双葉北小学校を訪れてみて、どう感じましたか。

西塚: 震災当時のままの小学校の光景を見た時に、言葉にできない想いが溢れました。報道では、ここが新しくなったとか、ここが復興されましたとか、色々なことが伝えられます。一方で、まだ手をつけられていない場所があることを知りました。本当に行ってよかったと思います。

小松:メディアで報道される情報以上に、まだまだ問題があるという気づきがありました。私たちがメディアを通して知り得る情報というのはある程度限定的ですし、復興している部分や分かりやすい部分が記憶に残りがちです。双葉町に来ると、復興は途上であることをあらためて認識します。

Q:フィールドワークで訪れて印象に残った場所や、気づいたこと点はありますか。

佐藤(和):中間貯蔵施設に行き、震災当時のままに残された家屋も見学させてもらいました。住まれていた方の思い出が詰まった家具や、家の中にイノシシが入って荒らされたままの光景を見て、復興はまだ道半ばと感じました。その時の経験が、デザインで思い出や時間をつなげようと考えるきっかけの一つになりました。

Q:デザインするにあたり、苦労した点や工夫した点はありますか。

佐藤(和):時間が限られていたため、授業の合間や休みの日を使うなどの時間的な苦労はありました。また、私たちは被服科ではないので、型紙づくりや縫製に試行錯誤しながら取り組みました。

西塚:記念品の製作では紅白幕と緞帳を使いました。それぞれの素材の特性を理解して、材質に合ったデザインを考えなければいけませんでした。当初、記念品のアイデアの一つとして布封筒を検討していましたが、布の材質を考えて最終的には「包み布」を作ることになりました。ペンケースには丈夫さも必要であるため、厚みのある緞帳を素材に選びました。巾着は裏地をつけると、強度が増して見栄えも良くなるので、紅白幕を使用しました。

小松先生:デザインはすべて学生たちで考えました。巾着と包み布の製作は学生が担当して、ペンケースの製作はフレックスジャパンさんにお願いしました。デザイン・製作の各段階でさまざまな課題はありましたが、学生たちは積極的に意見交換をしながらかたちにしていきました。

Q:ペンケース・巾着・包み布にするという、デザインコンセプトはどこから生まれましたか。

菅野:ペンケースのデザインコンセプトのもとになったのは、双葉町の国指定史跡「清戸廹横穴墓」 の壁画です。渦巻の模様が描かれた特徴的な壁画です。フィールドワークの中で、双葉町のみなさんにとって象徴的なものであるとお聞きしました。そこで渦巻をペンケースのデザインに取り入れることで、ペンケースを使っているときに清戸廹横穴墓の壁画ひいては双葉町のことを思い出してもらえると思いました。
ペンケースはロール型になっていて、横から見ると渦巻に見えるようにデザインしました。渦巻をうまく表現するために、小松先生やみんなと話し合いながらデザインを改良していったことが印象に残っています。

久保田:巾着は、双葉町の復興のシンボルでもある「双葉ダルマ」をヒントにしています。日常でも身近に使え、布で作れる巾着を思いつきました。ダルマの顔を付けたらかわいいと思い、ダルマの刺繍を入れました。刺繍の製作にはフレックスジャパンさんにご紹介いただいた刺繍会社の昌藤さんにご協力をいただきました。

西塚:「包み布」は、フレックスジャパンさんが「思い出のリメイク事業」を双葉町で行うという話がヒントになっています。私の中で「思い出」を考えたときに写真や手紙が浮かび、そういったものを入れるための封筒がいいじゃないかと当初は考えました。中間発表の時に環境省や双葉町、フレックスジャパンなど様々な方と話すことで、「包み布」や「袱紗」として広い用途に使えれば、記念品がまた別の誰かに受け継がれていくのではないかという考えが浮かびました。

小松:「記憶をつなぐ」「思い出をつなぐ」というキーワードがプロジェクト全体で出ていました。西塚さんからは思い出を届けるということで当初は「封筒」というアイデアが出てきました。しかし、封筒の製作には素材の加工技術的にも時間的にも難しいことから、解釈を拡げて、「包み布」あるいは「袱紗」として使える一枚の布という提案に決まりました。

Q:出来上がった記念品はどこかで発表しましたか。

小松:2021年9月に中間発表、12月25日には最終報告会という形で双葉町の産業交流センターで発表しました。そこにフレックスジャパンの矢島社長はじめ、伊澤史朗双葉町町長、環境省の皆様に来ていただき、学生たちが自分たちの作品を一つひとつ発表するという機会がありました。
若い学生たちが福島の環境再建に取り組んでいることを広くPRすることで、全国の多くの方に関心を持ってもらえます。そういうニュース性を通じた風評被害の払拭もプロジェクトの目的です。
2022年1月3日には双葉町の成人式がありました。そこで双葉町の小学校の布を使用した記念品を新成人54名のみなさんに贈呈することができました。

Q:贈呈してみて反響はいかがでしたか?

佐藤(和):私は実際に贈呈式に行きました。当日いらっしゃった新成人は20名。渡したときに「大切に使わせていただきます」と言っていただけたのが嬉しかったです。「久しぶりに同級生に会えて嬉しかったが、贈呈品のおかげで嬉しさが倍増した」とも言ってもらえました。みなさんの新しい思い出の一部に関わることができたのかなと喜びが込み上げました。

小松:成人式に出席された来賓や関係者からも好評をいただきました。デザインした記念品の完成度は高く、多くの人に喜んでいただき、プロジェクトとしても成功でした。学生をはじめプロジェクトに関わっていただいたみなさんの苦労が成人式で報われたと思います。
成人式に参加して、記念品を贈呈する新成人の方たちと直接お会いできたことも印象的でした。フィールドワーク時に訪問した小学校の教室では、残されていた絵や作文をたくさん見ました。それらを作った当時の子供たちが二十歳になり、成人式に出てきた姿を見て、とても感慨深かったです。

Q:来年度以降もプロジェクトはつながっていきますか。

小松:そうですね。地域や世代、人をつなぐプロジェクトにしていきたいと思います。
双葉町の方には、単年度ではなく継続的に関わるプロジェクトにしてほしいと当初から言われていました。今日ここにいる学生たちも含めて、双葉町の復興がどういう道を進むのか見守っていきますし、関わっていきたいと思います。

Q:皆様から見て今の福島県ならび双葉町の状況はいかがですか。

菅野:場所によって、復興が進んでいたりいなかったり、さまざまだなと思いました。私は福島県浜通りの出身です。自分が暮らしていた場所も震災当時は双葉町と同じような状況でしたが、現在は復興が進んでいることを実感できます。しかし双葉町に来てみて、これから復興へと歩み出そうとしている場所があることを知ることができました。

小松:令和3年度に実施された双葉町の帰還意向調査では、「戻りたいと考えている」人よりも「戻らないと決めている」人が多いという調査結果がでています。まずは双葉町に戻りたいと考えている方が戻れるように生活基盤が整備されること。併せて、新たな町の在り方も探っていく必要性を感じます。こうした点についても、デザインの立場から貢献したいと考えています。

Q:これからの福島県ならびに双葉町に向けて、皆様からお気持ちをお聞かせください。

西塚:私は新潟県中越生まれで中越地震を経験しています。福島県以外にも災害に見舞われた地域があります。被災地を訪問して、実際の状況を知ることの大切さを感じました。今回、初めて双葉町を訪問し、とても学ぶことが多かったです。これからも復興の歩みを見て、学んでいきたいと思います。

久保田:私は浪江町出身です。浪江町の復興も進んでいますが、戻ってくる人はまだまだ少ないです。人が戻ってくるにはもう少し時間が必要かと思いますが、暮らしやすい町になってくれればいいと思います。

佐藤(祐):東日本大震災を知らない若い世代がたくさんいます。福島県や双葉町の状況について、報道される内容以上に知ってもらいたいと思います。

佐藤(和):実際に双葉町を訪問することで学ぶことが多かったです。ふたたび双葉町を訪れて、復興の歩みを見ていきたいです。私は県内の就職が決まっているので、これからも復興に向けた活動に携わっていきたいと思います。

菅野:復興には周りの人たちの理解・関心も高めていくことが重要だと思います。今回のプロジェクトが、そのきっかけになればと思います。
私は学芸員になるための勉強をしています。福島県立博物館へ見学に行ったときに、津波で流された標識が資料として残されていました。復興も大事ですが、震災当時の記録を残して後世に伝えていくことも考えなければいけません。震災を忘れないように、遺すべきものも考えていかないといけないと思います。

小松:プロジェクト自体が「Plant Seeds for the F」という大きなキーワードを掲げています。Fは、福島県であり、双葉町、そしてFuture(=未来)。大地に種を撒き、育むような活動をしていきたいという想いを込めています。
福島県、双葉町が歩んできた10年は、大地を耕すような期間であったと思います。生活基盤であるハード面を整え、そこに人が暮らせる場所を築くための時間でした。これからは耕した大地に種を撒き、育むような活動も一層必要になると考えました。まだまだハード面の復興も充分ではありませんが、人が町を行き交い、つながる活動も進めていこうというメッセージです。「つなぐデザインプロジェクト」も、その種の一つになれるように育てていきたいと思います。

私も環境省さんと一緒に仕事をする中でいろいろな課題について理解を深めているところです。その中の一つとして中間貯蔵施設の問題があります。2045年までに中間貯蔵施設に貯蔵されている除去土壌などを県外へ廃棄することが決められています。資源化・再生利用の取り組みも進められていますが、県外最終処分に向けては県内外の方々の理解が必要となるでしょう。2045年には、この学生たちや10代20代の若者世代が社会の中心を担っています。この問題の解決のためには、今の若い世代に福島について知ってもらわなければいけないと思います。東日本大震災や復興にかかわる問題について関心を持って一緒に考えていきたいと思います。
ただし、若い世代の人たちに問題を背負わせるのではなく、彼女たち彼らたちにとって福島県が学びのフィールドとなり、自分の興味・関心を深められる機会になれば良いと思っています。

※「FUKUSHIMA NEXT」表彰制度について詳しくはこちら
※「FUKUSHIMA NEXT」表彰制度は2021年8月31日をもちまして、募集を締め切らせて頂きました。

広告ギャラリー

No.5 「ツツジという資源」がつなぐ、これからの福島。

No.4 郡山女子大学短期大学部「つなぐデザインプロジェクト」

No.3 福島環境リブランディングキャンペーン“FUKUSHIMA NEXT”受賞者のみなさん

No.2 大熊町 大川原LIFEのみなさん

No.1 東日本大震災・原子力災害伝承館 スタッフ


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