保管農家の負担軽減策について
栃木県で今起きていること
平成30年11月26日に開催された関係市町長会議で、農業系指定廃棄物を保管いただいている県内約120名の農家の方々の負担軽減に向けて取り組むこととしました。将来的には県内1カ所で長期管理施設を整備してそこに運び込む方針ですが、それにはまだ相当の期間がかかるため、まずは暫定的に、農家が保管する指定廃棄物を市町単位で集約することとしました。
集約に向けた検討に当たり、直近の指定廃棄物の放射能濃度を把握するため、令和元年度、約120名の農家の方々が保管する指定廃棄物の放射能濃度の再測定を実施し、その結果を令和2年3月19日に公表しました。再測定の結果、重量で8割超えるものが8,000Bq/kgを下回っていることが明らかになりました。
引き続き、環境省、県、市町で連携して、市町ごとの集約のあり方や暫定保管の場所等を検討していきます。
農家が保管する指定廃棄物の放射能濃度の再測定の結果
農家の方々が保管する指定廃棄物の集約に向けた検討に当たり、住民の皆さまへの安全性の説明、減容化や保管方法の決定等のため、直近の指定廃棄物の放射能濃度を把握する必要があることから、放射能濃度の再測定を実施しました。
指定廃棄物って何ですか?
日常生活から出たものに放射性物質が付着した廃棄物。それが、「指定廃棄物」です。
栃木県内の約160カ所で一時的に保管されています。
この指定廃棄物が現在、栃木県には約1万3,500トンあり、農家の土地、ごみ焼却施設や下水処理施設の仮設テント、建屋等で一時的に保管されています。
一時保管が続くと何がいけないの?
今のままでは、自然災害で飛散・流出する可能性があります。
今の保管方法は暫定的な措置のため、大きな台風や竜巻などにより飛散・流出するおそれがあります。なるべく早期に、より安全な方法で管理する必要があります。
農家の敷地などでは、牧草・腐葉土などに遮水シートをかけて一時保管しています。
まとめて保管することのメリット
県内各地に点在する指定廃棄物をまとめて保管することで、現在より安全に指定廃棄物の管理を行うことができます。
保管場所をまとめることで、放射線の漏えいや自然災害への対策が集中して取れるようになります。また補修・メンテナンスのほか、万が一事故が起きた際にも迅速かつ適切に対応できるためより安全です。
指定廃棄物の処理に向けた検討経緯
栃木県においては、自治体との意見交換を重視し、指定廃棄物の処理に向けた共通理解を醸成するため市町村長会議を開催し、議論を重ねています。これらの会議で確定した選定手法に基づき、選定作業を行った結果、平成26年7月に詳細調査を行う候補地を1カ所公表しました。現在、住民の方々のご理解を得るためのご説明などを実施しています。
「さえぎる」「遠ざける」ことで 適切に保管していきます
集約保管に当たっては、適切に遮へい を行うとともに、安全な距離をとることで周辺への放射線の影響を防ぐことができます。
栃木県民の皆様の安心・安全なくらしのために
今、栃木県の指定廃棄物は、適切に管理されているものの、多くの保管農家の方々に大きな負担を強いています。
環境省では、この課題を正面から受けとめ、保管農家の方々をはじめ、栃木県民の皆様が安心して生活できるよう、皆様の不安を少しでも解消したいと考えています。
この問題の解決のために不可欠なのは、県民のみなさまのご理解、ご協力です。
皆様と話し合い、一緒にこの問題の解決に取り組んでいきたいと考えています。