バグフィルターの性能の調査結果

バグフィルター性能の実測調査

バグフィルターによる放射性セシウム除去性能を確認するため、平成23年から24年に国立環境研究所等が、バグフィルターの「入口」と「出口」において、排ガス中の放射性セシウム濃度を実際に測定しました。

なお、測定に当たっては、通常の検出下限値(2Bq/m3)よりも約5~300倍程度検出感度を高めて調査しました。


※実際の測定位置は施設によって異なります。

バグフィルター性能の調査結果

通常よりも検出感度を高めた測定でも、バグフィルター出口で放射性セシウムはほぼ検出されませんでした。
バグフィルター前後の濃度の比較から、放射性セシウムの除去率は、概ね99.9%以上と評価されます。

※出口濃度の<は検出限界値未満
出典:第1回放射性物質汚染廃棄物に関する安全対策検討会資料より

小さな微粒子も捕集できているのですか?

放射性セシウムの測定法では、粒子の大小によらず、放射性物質が含まれていれば検出することができます。
上記の調査結果のとおり、感度を高めた測定でもバグフィルター出口では放射性セシウムはほぼ検出されておらず、粒子の大小によらず放射性セシウムは十分に捕集されています。

ポイント

さらに、実際に、粒子の大きさ別に分けて測定した実験でも、0.33μm(マイクロメートル)以下から9.2μm(マイクロメートル)以上の各範囲において、バグフィルター出口では放射性セシウムはほぼ検出されませんでした。
※ばいじんの平均粒径は数十μm程度

出典:第2回放射性物質汚染廃棄物に関する安全対策検討会資料より

気体の放射性セシウムがバグフィルターを通過しているのではないですか?

排ガスは、バグフィルター前で200℃以下に急冷されるため、バグフィルターを通過する際には放射性セシウムは固体粒子となりばいじんに吸着しています。

放射性セシウムの測定法では、より詳細な測定のため、ろ紙で固体粒子を捕集した後に、氷冷したガス吸収びん3本を通し、この吸収びんの放射性セシウム濃度も測定することとしていますが、吸収びんから放射性セシウムが検出されたことはありません。

そのほか、ガス吸収びんの後にさらに、吸着性のある活性炭を設置して測定した実験なども行われていますが、ガス状の放射性セシウムが検出されたことはありません。

※塩化セシウムの沸点:1,300℃、融点:646℃

バグフィルタ入り口

バグフィルタ出口

※ガス状物質は検出下限値未満
※<は検出限界値未満

出典:第2回放射性物質汚染廃棄物に関する安全対策検討会資料より

その他の排ガスモニタリング実績

環境省設置施設でも、他県施設でもの排ガスモニタリングを実施しましたが、いずれも放射性セシウムは不検出でした。

福島県における環境省設置減容化施設の排ガスモニタリング実績

⽴地市町村 処理能⼒ 処理期間(試験焼却期間含む) 排ガス
Cs134・Cs137
(Bq/m3
南相⾺市 200t/日 平成27年4⽉〜 不検出
浪江町 300t/日 平成27年5⽉〜 不検出
富岡町 500t/日 平成27年4⽉〜 不検出
楢葉町 200t/日 平成28年11⽉〜 不検出
葛尾村 200t/日 平成27年4⽉〜 不検出
川内村 7t/日 平成26年12⽉〜平成28年2⽉ 不検出
飯舘村⼩宮地区 5t/日 平成26年11⽉〜平成29年3⽉ 不検出
飯舘村蕨平地区 240t/日 平成28年1⽉〜 不検出
郡⼭市 90t/日 平成25年9⽉〜平成26年3⽉ 不検出
鮫川村 1.5t/日 平成25年7⽉〜平成27年7⽉ 不検出
田村市・川内村 60t/日 平成29年6月〜 不検出
相⾺市 570t/日 平成25年1⽉〜平成26年11⽉ 不検出
広野町 80t/日 平成27年6⽉〜平成29年1⽉ 不検出
南相⾺市 200t/日 平成28年5⽉〜 不検出

※放射能濃度等測定方法ガイドラインに基づく月1回以上の測定を実施。
※検出下限値は2Bq/m3以下。

焼却施設の排ガスモニタリング実績

市町村等 施設名称 排ガス
Cs134・Cs137
(Bq/m3
⼀関市 ⼤東清掃センター 不検出
花巻市 花巻市清掃センター 不検出
宮古市・岩泉町・⼭⽥町 宮古清掃センター 不検出
遠野市 遠野市清養園クリーンセンター 不検出
奥州市・⾦ケ崎町 胆江地区衛⽣センター 不検出
北上市 北上市清掃事業所 不検出
岩⼿町・盛岡市⽟⼭地域 岩⼿・⽟⼭清掃事業所 不検出
⼋幡平市 ⼋幡平市清掃センター 不検出

※放射能濃度等測定方法ガイドラインに基づく月1回以上の測定を実施。
※検出下限値は2Bq/m3以下。

各県の焼却施設における排ガス測定結果

平成24年度以降、環境省において、東日本の都県に対して、廃棄物焼却施設における排ガス測定結果を調査しています。
これまでの調査では、全ての施設において放射性セシウムは不検出(2Bq/m3未満)であり、基準を十分に満たしています。

  排ガス中の放射性セシウム濃度 Cs134+Cs137(Bq/m3※1
平成26年調査※2 平成27年調査※3 平成28年調査※4
岩⼿県 不検出 不検出 不検出
宮城県 不検出 不検出 不検出
⼭形県 不検出 不検出 不検出
福島県 不検出 不検出 不検出
茨城県 不検出 不検出 不検出
栃⽊県 不検出 不検出 不検出
群⾺県 不検出 不検出 不検出
埼⽟県 不検出 不検出 不検出
千葉県 不検出 不検出 不検出
東京都 不検出 不検出 不検出
神奈川県 不検出 不検出 不検出
新潟県 不検出 不検出 不検出

※1 排ガスの表中「不検出」は、廃棄物関係ガイドラインに定める検出下限値(2Bq/m3)以下を示す
※2 平成24年~平成26年10月「放射性物質汚染廃棄物に関する安全対策検討会(第2回)」(H27.1)資料3
※3 平成26年11月~平成27年11月「放射性物質汚染廃棄物に関する安全対策検討会(第4回)」(H28.3)資料3
※4 平成27年12月~平成28年9月

排ガスのモニタリングについて

さらに詳しく知りたい方へ

ページ最上部へ